縮んだセーターを戻す理論とクリーニング店に依頼するほうがよい理由
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セーターなどのニット製品を自宅の洗濯機で洗ってしまい縮んで着れなくなってしまった経験がある人は多いでしょう。
私も、何回もセーターを縮ませてしまったことがあります。
洗いあがったセーターを手に持った瞬間にわかるんですよね。「あっ!縮んだ」と。
ずっしりと重くて、生地はフェルトのようにぎっしりと詰まっており、縦にも横にも伸縮性が一切なくなるのです。
あきらかに、一回りも二回りも小さくなったセーターを、濡れたままにするわけにもいかず、一応ハンガーにかけて干すときの虚しさったらありません。
もう二度とこんな思いをすることがないように、セーターが縮む原理と元に戻すための理論と、クリーニング店に依頼したほうが良い理由についてまとめました。
セーターを縮ませてしまっている人は多い
セーターを縮ませてしまう経験を持つ人はかなり多いようです。
セーター、デリケート洗いしたら縮んだ。やっぱりクリーニングか。
— sachiehappy (@sachiehappy) 2010年12月27日
水洗い不可のセーター、、間違えて洗ってしまた(T_T) クリーニング店いけば縮んだやつなおしてもらえるかなあ?
— りな (@mai_rina) 2011年11月19日
ユニクロのカシミアセーター。購入して7~8年だと思うが、今までクリーニングに出してたけどケチってホームクリーニングエマールさんで洗ってみた。風合い変わった、そして縮んだ・・・・。
— 嫁すけ@📎SMAP No.1📎 (@meganetomonpe) 2013年5月26日
うっかりしてとか、クリーニング代をついけちってしまってなど、ちょっとした理由で、やってしまいがちなミスなんですよね。
よくありがちなことだからこそ、セーターを縮ませない知識は身につけておきたいところです。
セーターはなぜ縮むのか?
セーターは主に、ウール・カシミア・アンゴラなどの動物性の繊維でできています。
ミクロの世界でみてみると、人間の髪の毛のように、脂分があって、キューティクルのようなもので覆われた構造となっています。
洗濯機でセーターを洗うと、脂分が落とされて摩擦が起き、開いたキューティクルに、様々な方向から繊維が絡み合った状態となり、ロックをかけたように固定されてしまうのです。
同じようなセーターでも素材がアクリルなどの化学繊維であれば、洗濯機で洗っても縮むことはありません。
激しい水流にもまれると型崩れの心配はあるので、優しく手洗いしたほうがよいですが、化学繊維には、脂分やキューティクル構造がないので、先の「セーターが縮む理論」は当てはまらないのです。
洗濯をする時には、セーターについている洗濯タグをよく確認して、縮む心配があるかどうかチェックしましょう。
縮んだセーターを戻す理論
フェルト状になって縮んでしまったセーターを元に戻すには、失われた脂分を補填して滑りをよくし、絡まりあった繊維をほぐしてあげればよいということになります。
個人が家で試してみることができる裏技として言い伝えられているのが、「洗髪に使うリンスやコンディショナーを溶かした水に縮んだセーターをつける方法」と、「アイロンのスチームを当てながら手で伸ばしていく方法」です。
前者は、髪の毛にリンスをつけると指通りがよくなることを応用して、セーターの繊維の絡まりをほぐすという考え方で、後者は、スチームでキューティクルを開かせて物理的に絡まりをほぐすやり方です。
しかし、いずれの方法も、完全に元通りになるような完成度の高い方法ではありません。
むしろ、やりすぎて失敗する危険性もあるので、着られなくなること覚悟で自己責任で行う裏技的な位置づけと考えるべきでしょう。
どうしても縮んだセーターを元に戻したい場合
どうしても、縮んだセーターを元に戻したい場合、最後の手段として考えられるのが、クリーニング店に依頼する方法です。
一般的なクリーニング店には、縮んだセーターを元に戻す料金は掲載されていないことがほとんどです。
縮みの程度によって作業内容も変わってきますし、がちがちに絡まってしまったセーターなどは、どうやったって元に戻せないからです。
フェルトをふわふわのセーター生地にするのと同じようなことですから、クリーニングのプロであっても、無理なものは無理ですよね。
でも、自宅で作れるリンスを溶かした水などに比べると、もっと有効に繊維の脂分を補ってくれるような業務用の薬剤がクリーニング店にはあります。
高性能なスチーム機器があったり、繊維や生地に関する専門的な知識を持っている職人さんも在籍しているでしょう。
これらを駆使することで、完全に元に戻すことはできないにしても、縮んでしまった箇所を少しだけ伸ばすことはできるかもしれません。
なので、ダメもとで、クリーニング屋さんに相談してみることは意味があるかと思います。
でも、お金も時間もかなりかかってしまうかもしれませんね。
一番大切なのは、セーターなどのニット製品を購入する際に、洗濯タグもしっかりと見て、どのようなお手入れをすればよいか確認することです。
そして、日頃のお手入れにおいては、無理して自宅で選択しようとせずに、ニット洗いが得意なクリーニング屋さんにお任せするのがよいでしょう。
クリーニング料金はかかりますが、自分であれこれやってみる手間や時間と、失敗するリスクを考えると、「便利さとプロの技術をお金で買っている」だけで、そう考えると、それほど高い料金ではないかと思います。
ふわふわのニットは暖かくて気持ちのよいものなので、維持するために必要なお手入れをしていきましょう。